内科、整形外科、リハビリテーション科、各科の医師、看護師、放射線技師、作業療法士、医療事務など、さとやま整形外科内科の医療スタッフがコラムを綴ります。患者様のお役に立てられるようなテーマで記事を執筆しています。
皆様こんにちは。診療放射線技師の井原です。
今回は当院でも行っている「エコー検査」について、コラムを書きたいと思います。
医療現場の様々な場面で活用されているエコー検査ですが、今回は、
"そもそもエコー検査ってなに?"
"実際の検査はどうやるの?"
"レントゲンやCTとは違うの?"
といった疑問が解消できるよう、説明させていただきます。
最後まで読んでいただき、病気を診る上でエコー検査が便利な検査であることを少しでもお伝えすることができれば幸いです。
早速ですが、
"そもそもエコー検査ってなに?"
この疑問は、意外と知られている方は少ないように思います。
産婦人科で胎児(赤ちゃん)の様子を観察する時に、行う検査のイメージが強いのではないのでしょうか。
実は、赤ちゃん以外にも医療現場ではたくさん利用されています。
エコー検査はレントゲンやCTなどと同様、
・病気があるのか無いのか
・病気があった場合、どのような様子なのか
これらを明確にし、医師の診断を手助けする『画像診断』の一種です。
改めて定義させていただくとエコー検査とは、超音波診断装置(※画像1)を用いて病態(病気の様子)を評価する事を言います。
字のごとく、"超音波"を用いて病気を見るわけですが、
検査を行える場所は全身に及びます。
当院で主に行っているのは内科診療での「頸動脈」「腹部」「心臓」が挙げられますが、
「筋肉や腱(すじ)」、「血管」、「乳腺」と様々な検査が行えるのがエコー検査です。
しかし、空気や骨など、超音波では評価ができない部分があるのも特徴です。
(画像1)超音波診断装置
"実際の検査はどうやるの?"
他の検査同様、診察で医師が必要と判断した場合に行われます。
※健康診断で患者様のご希望があれば、検査を行う場合もあります。
検査を行う部位によって必要な時間は異なりますが、おおよそ10分〜20分程度で検査は終了します。
プローブと呼ばれる機械を直接肌に密着させて検査を行います(※画像2)ので、検査部位を露出して頂く必要がございます。
検査を行うのは、主に医師、臨床検査技師、診療放射線技師が行うことが多いのですが、当院では診療放射線技師(筆者)が行っております。
基本的に、エコー室で1対1で行いますが、ご不安になる方がいらっしゃいましたら付添の方に同席して頂くことも可能です。
実際のところ、世間話をしながら検査を受ける方や、ぐっすり寝られる方など様々です。
なるべく不安になることが無いよう心がけて検査をしておりますので、気兼ねなく検査を受けていただければと思います。
また、検査中は、
「息を吸って〜、止めてください。」や、
「息を吐いて〜、止めてください。」や、
世間話が弾んでいる時に「血流を計測するので、一度静かに楽にしましょう。」
などと、色々とお願いをさせて頂きます。
これは、病気をしっかりと評価するために非常に大事なお願いとなりますので、是非ご協力をお願いいたします。(断られる方はいらっしゃいませんが。。。笑)
"レントゲンやCTとは違うの?"
当院にはレントゲン、CTがあり、"病気を評価する"という意味では同じなのですが、
いくつか違いがございます。
なんと言っても、エコー検査は"超音波"を用いております。
レントゲンやCTなどとは異なり、被爆もございませんので繰り返しの検査が可能であり、経過観察にも適しています。
その他にも、
〜長所〜
・手軽に行える検査である。
・リアルタイムで、病気の評価ができる。(レントゲンやCTなどは静止画)
・造影剤を使わなくても血流の評価ができる。 ※造影剤を用いるエコー検査もございます。
〜短所〜
・骨や空気がある場所は評価ができない。
・肥満や消化管ガスなど、患者様の状態により、検査の質が落ちてしまう。
・術者(検査を行う者)の技量により、検査の質が左右される。
上記のような特徴がございます。
最後に・・・
最後の短所で挙げた"検査を行う者によって検査の質が左右される"というのは、検査を行っている筆者としては身が引き締まる思いですが、事実として書かせていただきました。
世間にレントゲンやCTほどのイメージが浸透しないのも、上記特徴があるためかと思われます。
しかし、エコーを行うことでより分かる病気があることも事実です。
場合によってはエコー検査を行うことで、早期発見につながるケースも珍しくありません。
皆様の健康に寄り添い、少しでも安心される検査を行えるよう日々研鑽を積み、検査を実施させて頂いております。
少しでも不安がございましたら、何でも仰っていただければと思います。
P.S.
今回はエコー検査の概要を書かせていただきましたが、今後検査部位に応じたコラムも書いていこうと思います^^
2021/05/27 Wrote