内科、整形外科、リハビリテーション科、各科の医師、看護師、放射線技師、作業療法士、医療事務など、さとやま整形外科内科の医療スタッフがコラムを綴ります。患者様のお役に立てられるようなテーマで記事を執筆しています。
さとやま整形外科内科院長が贈る本コラムでは健康に関する雑話や豆知識などをいろいろご紹介していきます。
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運動と健康シリーズ⑥「運動と血管」
今回は運動と血管の話をしましょう。
米国の或るマラソン選手の冠動脈(心臓に血液を送る血管)が、普通の人の2-3倍太かったという話は有名です。
またアフリカの勇猛なマサイ族の冠動脈には狭窄がみられないと報告されています。
このように運動を続ける/常に動的な生活をすると血管にリモデリングが起き、太くなるのです。
それは運動によって血流が増えると、血管の内側を覆っている血管内皮細胞がNO(一酸化窒素)をつくり、これが血管を拡げ、血液の流動性を保ち、血小板や白血球の接着を阻止し、コレステロールや炎症細胞の侵入を防ぐことで動脈硬化から守ってくれるからです。
「人は血管と共に老いる」と言われますが、血管の加齢(動脈硬化)を防ぎ、いつまでも太くしなやかな血管を維持するためには、血管内皮細胞を刺激する運動、とくに脈を速め、血流を増やす好気的運動を置いて他にありません。
運動こそが血管を若く保つ秘訣なのです。
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さとやま整形外科内科 院長 稙田太郎
インスリン抵抗性に関し、日本でいち早く人工膵臓を駆使して臨床研究を展開。 医学博士号取得、元日本糖尿病学会専門医、指導医、功労評議員。
2023/01/04 Wrote